まだ分かりません、も報告です。
ある仕事で、変更によって結果が悪くなる可能性が見えてきたことがあります。まだ結果は出ていませんでした。
数字も固まっていません。
ここで上司に持っていくか。それとも、確かめてから持っていくか。
ナギ(当時)
いまの僕は、「まだ分かりません」も報告に含めると決めています。ただし、なんでも早く出せばいいとも思っていません。
この記事は、その線をどこで引いているかの話です。
これは、報告の速さを直した話ではありません。正確にしようとしたことが、かえって別の情報を消していた、という話です。
僕は、「まだ分からない」を削っていました
🧾 この章の話
僕の報告から「まだ分からない」が消えていた頃の話です。
僕の報告は、長いあいだ、確定した情報だけでできていました。
「たぶん」と「かもしれません」を消していた
上司に出す文面を書くとき、「たぶん」や「かもしれません」を、できるだけ消していました。推測まじりの報告は正確さに欠ける、と思っていたからです。
数字が出てから。原因がはっきりしてから。
そこまで確かめてから持っていくのが、丁寧な仕事だと考えていました。
報告を正確にしようとして、「まだ分からない」という情報まで削っていました。
「まだ分からない」ことが分かっている。それも、あの時点では僕だけが持っていた情報でした。
外れたときに「言わなければよかった」と思いたくない気持ちも、たぶんあったと思います。
決まった話の、一つ手前
決まった悪い知らせを、そのまま伝えた話は前に書きました。今回は、その一つ手前です。
まだ決まっていないことを、どう出すかの話です。
部下には「もう少し確かめてから」と言っていた
出す側の話の前に、白状することがあります。受け取る側の僕は、不確かな話が苦手でした。
若手の部下
自分では、時間のない悪い見通しは早く出したほうがいいと思っているのに、部下から不確かな話が来ると、「それ、もう少し確かめてから教えて」と返すことがありました。
僕は、分からないものをそのまま受け取るのがあまり得意ではありません。つい、もう少し確かめたくなります。
ナギ
部下から返ってくる「それ、やる意味あります?」を、止めずに受け取る話は前に書きました。反対意見は受け取れていたのに、まだ確かでない話のほうは、受け取れていませんでした。
今回は、僕がそれを出す側に回ったときの話です。
確かめている間、相手はずっと待っていた
確かめることは、タダではありませんでした。
確かめているあいだ、分かることは増えていきます。
数字が固まり、原因の候補が絞れていく。それ自体は、いいことです。
待っている相手の時間を、僕が使っていた
ただそのあいだ、報告を待っている相手の時間は、僕が使っていました。
上司が動ける時間。関係する人たちが段取りを組み直せる時間。
僕が「もう少し確かめてから」と抱えている日数のぶんだけ、それが目減りしていきます。
悪い見通しは、これまで何度も出してきました。
途中の見通しを出しているあいだも、解決策は探し続けました。少なくとも僕の経験では、「もうどうにもできません」というところまで行ったことはありません。
当てるために出すのではない
悪い見通しを出すのは、結果を当てるためではありません。動ける状態を残すためです。
いま起きていることを上へどう言うかは、前に書きました。
あちらは、起きていることの話。こちらは、まだ起きていないことの話です。
出すか待つかは、残っている時間で決める
いまは、出すか待つかを決めるとき、見ているものが二つあります。残っている時間と、その話の重さです。
締切が近いなら、まだ推測が残っていても出します。検討の時間にまだ余裕があるなら、もう少し確かめてからにします。
そして安全に関わる話だけは、時間に関係なく、すぐ出します。
ポイント:確からしさではなく、時間で決める
- 締切が近いなら、まだ推測が残っていても出す
- 検討の時間に余裕があるなら、もう少し確かめてから
大げさに騒ぐのもよくない、と思っています。確かでない話をむやみに広げれば、周りを無駄に動かしてしまうこともある。
だから、確からしさだけを見て、出すか待つかを決めるのはやめました。
その話を受け取る人に、動ける時間がまだ残っているか。そちらを先に見るようになりました。
「まだ分かりません」を、消さずに出す
出し方は、難しいことをしていません。分かっていることの隣に、分からないことをそのまま置くだけです。
実際の報告は、たとえばこんな形になります。
「ここまでは分かっています。ただ、原因はまだ分かっていません。○日ごろには、もう少しはっきりする見込みです」
分かる見込みの時期があるなら、それも一緒に伝えます。いつごろ分かりそうかまで添えれば、未確定のままでも、次にいつ更新するかまで一緒に渡せます。
分かる時期が読めないときは、読めないと書きます。それも情報のうちです。
ポイント:分からないことも、書いて渡す
- 分かる見込みの時期があるなら、それも一緒に伝える
- 読めないときは、読めないと書く
昔の僕が消していた「たぶん」や「かもしれません」は、いまは残したまま送ります。
消すと文面はきれいになります。ただ、きれいになったぶんだけ、実際より確かな話に見えてしまいます。
まとめ|取り越し苦労で終わってもいい
取り越し苦労で終わった報告は、いくつもあります。それでよかったと思っています。
悪くなりそうです、と出した話が、ふたを開ければ何ごともなく収まる。めずらしいことではありません。
ナギ
それでも、出したことを後悔した記憶はありません。外れた見通しは、そこで終わります。
出さないまま確定を待っていたら、減っていたのは僕の面目ではなく、周りの時間だったはずです。
📮 僕が途中の見通しを出すとき
- 出すか待つかは、残っている時間と話の重さを見る
- 出すなら、分かっていないことと、分かる見込みの時期も書く
外れたときの気まずさは、僕が持てばいい。待っているあいだに減るのは、相手が動ける時間です。
※この記事は、一人の管理職の一次体験です。案件や時期は、個人や仕事が分からない形に整えています。
— Calmly. Surely. —
関連記事
🧭 次に読むおすすめ
この記事とテーマの近い順に選んでいます